マーピーと森の魔女~第3羽~

次の日マーピーは


ちぐはぐの体のまま


保育園に行きました


保育園のお部屋に入ると


みんなが心配して


よってきました


先生が


「まぁぁ‼マーピーどうしたの?」


マーピーは勇気をだして言いました


「先生‼ボクはウソつきでした……ホントは星太郎が



やりたいのに……言わなかったから、だから心と体


がちぐはぐだから、体もちぐはぐになっちゃった


の……」




すると‼みんなびっくりして次々に


「ボクもホントは星太郎がしたかった‼」


「わたしも女の子だけど星太郎になりたい‼」


「ボクだって星太郎が良かったよ~」


と言いながら


あちらこちらで泣いています


先生は「あら、まぁ大変だこと。どうしましょう」


と、いいながらなんだか嬉しそう……


マーピーは、おそるおそる先生に


「ねぇ、先生…みんな星太郎じゃダメ?」


って聞いてみました


考えてる先生の顔をみんなで見上げました


ドキドキしました


みんな心配そうです


先生はなかなか「いいよ」と言いません


マーピーは、やっぱり無理だった……


と、しょんぼり……



先生が「モーリンはどいしたい?」


と、聞きました


モーリンはうつむいたまま


「……いいよ……」


と言ったとたん


体がバラバラにはじけ飛んで


ちぐはぐにくっついちゃったのでした


モーリンはびっくり‼


「うわ~んホントはボク一人でやりたいんだ‼


だってボクが先にやりたいって言ってたもん‼」


大きな声で泣いてます


マーピーもみんなもびっくり‼


だって、いつも優しくてカッコいいあのモーリンが


赤ちゃんみたいに大泣きしてます


みんなはしばらく考えて……


「私、やっぱり星太郎じゃなくていいよ」


「ぼくも…」


と、くちぐちに言い出しました


すると


今度はみんながバラバラにはじけて


ちぐはぐにくっついちゃったのでした


一瞬お部屋はシーン


誰かが……


「あはは‼みんなウソつきだね~みんなバラバラの


ちぐはぐだ~へんなの~」


って笑いました


みんなもつられて


「ホントだ~‼へんなの~‼あはは‼」


と、大笑いです



先生も笑ってます


モーリンもマーピーも笑ってます


モーリンがいいました


「先生‼合体星太郎にしようよ‼みんなで合体するん


だ‼」


「まぁ‼それはいい考えね」


みんなも賛成しました


すると、みんなの体も元どうりに……


「あ~おもしろかった」とみんなが言いました


「なにが、おもしろかったの?」


先生が聞きました


「分かんないけど、面白かった」


皆のにこにこ顔をみていると


マーピーの心があったかくなりました


そして体にふわ~んとコバルトブルーの色が浮かび


あがりました。


マーピーは、またひとつ幸せフクロウに近づいたの



でした。




おしまい❇ありがとぉございました✨



また、いつか(笑)❇

マーピーと森の魔女~第2羽~

魔女はマーピーの顔を見つめ


しゃがれた声で言いました


「ホントは星太郎やりたかったんだろう……」


「な、なんで知ってるの」


マーピーはびっくり‼


「そりゃ、私は魔女だからね。何でも知ってるさ」


マーピーはうつむきながら言いました


「ボクなんかより、モーリンの方が


星太郎にはピッタリなんだ……


誰だって、そう思うさ……」


「へぇ、そうなのかい」


魔女はニヤリと笑い


呪文を唱えました


ヨイシサヤ ア ハタナアー‼


すると‼マーピーの体がバラバラにはじけて



バラバラにくっついたのです‼


頭に背中 、 足にくちばし


お腹に目 、 おしりに足‼


もう、ぐちゃぐちゃのちぐはぐです‼


「えーん‼こんなのやだよぅ~‼動けないよぉ」


魔女が言いました


「これは、おまえの心と体じゃ


おまえの心と体は今ちぐはぐなんじゃ


どうだ、動きにくいだろう


ちぐはぐだとぎこちないだろう……」


「早く戻してよ~‼こんな体いやだよぉ」


「だから、言っただろ。これはお前の


心と体がちぐはぐだから、こうなったんじゃ


お前が心に正直になれば、元にもどるさ」


そう言い残し魔女はまた木の中へ


消えて行ってしまいました……


マーピーはちぐはぐで動きにくい体で何とか


家にかえりました


ちぐはぐの体でご飯をたべ


ちぐはぐの体でテレビをみて


ちぐはぐの体でお風呂にはいり


ちぐはぐの体でベットに入りました


とても、つかれました


自分の体なのに……


自分じゃないみたい……


ぎこちない体


何をしていても


誰としゃべっていても


ちぐはぐで


動きづらくて


苦しい……


マーピーは考えました


あの魔女が言うように


この姿が今のボクの心と体なら


ボクはボクになんて


ひどい事をしているんだろう……


ごめんなさいボク


きっと、いつのまにかボクはボクの気持ちを


聞かないふりをしてたんだ……


マーピーの目から涙がこぼれます


薄墨の明るい夜空


流れ星が


天使の歌声とともに


流れ落ちていきました……


つづく❇

マーピーと森の魔女~第1羽~

ここは幸せ森のキラキラ保育園



今日もフクロウの子どもたちが



園長先生のお話を



楽しそうに聞いていますよ



そう!幸せフクロウのマーピーのお話を……



マーピーたちは秋の学芸会に向けて


先生のお話を聞いています



「秋の学芸会では、みんなが大好きな星太郎の劇をしたいと思いま~す‼星太郎の役をやりたい人は手を上げて下さ~い」



星から産まれた星太郎は強くて優しくて


かっこよくて……


マーピーも大好きなお話です


マーピーは心の中で



「やりたいな~‼でも、ボクなんか……」


と、モジモジしてると


モーリンが


「はい‼ボクやりたいです‼」




と、手を上げました


モーリンは保育園で一番かけっこが速くて



優しくて人気者です



「モーリン君以外はいませんか~?ではモーリン君でいいなら拍手をして下さ~い」



みんな拍手をしました



星太郎はモーリンに決定です



結局マーピーは、誰もやりたがらない


悪者のカラス役になりました



マーピーが保育園の帰り道



とぼとぼと歩いていると……



森で一番大きく古い木の中から



魔女が出て来ました



つづく❇

絵のない絵本~幸せフクロウのマーピー第3羽~

次の日、マーピーは保育園に行きました





いつもの様に





みんなマーピーに近づこうとしません







マーピーはうつ向いて





園庭に駆け出しました





マーピーが園庭のすみで、しゃがんでいると






「…何しているの……?」





女の子の声にびっくりしたマーピーは






思わずシャベルを振り上げました





「キャッ」





マーピーの胸の当たりがキューっと痛くなり





慌ててシャベルを下ろしました



そして、そっと手を差し出しました





マーピーの手のひらには




昨夜の花の種が





まるでお月様のようにキラキラ光ってます







「わぁ‼お花のたね?‼キレ~イ‼どんな花がさくの?ねぇ、何色?」




女の子の顔がパッとあかるくなりました







「ピ、ピンク……」




「ねぇ‼今から植えるの手伝ってもいーい?」




マーピーはこくりとうなずくと





種を分けてあげました





「私、先生やみんなもよんでくる‼」





女の子は駆け出して…転んでしまいました




「いた~い」





女の子の目から涙があふれます





マーピーは女の子のひざの土を黙ってはらい





水で流し





「早く大きくなってね」






と、おもわず言ってしまいました





でも、さっきまで泣いてた女の子が





ケラケラ笑いだし





「マーピーって面白いね‼でも、私は種じゃありません」





と、言ってまたケラケラ笑いだしました






マーピーは女の子の手をにぎり





ゆっくりと歩きだしました





なんだか胸のあたりがドキドキして





女の子の笑顔がもっと見たいなと思いました





その時





マーピーの真っ白だった体に





ふわ~んと





ピンクのもようが浮かび上がってきたのでした





こうして、マーピーは七色の幸せフクロウに





いっぽ近づいたのでした





いったんおしまい❇

絵のない絵本~幸せフクロウのマーピー第2羽

マーピーはあわてて妖精を

 

 

 

 

 

手のひらに乗せました

 

 

 

 

 

「ごめんぬ‼ごめんね‼ボクが蹴っちゃったから……」

 

 

 

 

 

マーピーの目から涙がポロポロ流れ落ちます

 

 

 

 

 

「マーピー違うのよ。マーピーのせいじゃないの……これは寿命なの……私はマーピーが大好きよ。だって優しくて良い子だもの……」

 

 

 

 

 

「ボクは良い子なんかじゃない‼君を傷つけた……うわ~ん」

 

 

 

 

 

「マーピーは優しいわ……だって私を育ててくれたじゃない……毎日話しかけてくれたでしょ……だから私こんなにキレイに咲くことができたのよ……だから、もう泣かないで……」

 

 

 

 

 

そう言うと、お花は枯れ

 

 

 

 

 

妖精は






マーピーの手のひらの中で

 

 

 

 

 

 

静かに消えてってしまいました……


 

 

 

 

 

「ひどい事たくさん言って、たくさんしてごめんなさい‼ホントは嬉しかったのに……ボクの事すきって言ってくれて嬉しかったのに……うわ~ん」

 

 

 

 

 

 マーピーは






たくさん、たくさん、たくさん

 

 

 

 

 

泣きました






たくさん泣いて






泣きながら毎日枯れた花に水をやり






話しかけ続けました


 

 

 


 


 

そうして

 

 

 

 

 

 

 

新月だったお月様が満月になるころ……

 

 

 

 

 

 

もう誰も傷付けない

 

 

 

 

 

こんな思いをするのも、させるのも

 

 

 

 

 

もう、嫌だ……

 

 

 

 

 

「お月様どうかボクにもっと勇気を下さい。強い心になります‼」

 

 

 

 

 

そう言うと

 

 

 

 

満月にに照らされた

 

 

 

 

 

枯れ果てたお花から

 

 

 

 

種がキラキラと落ちたのでした……

 

 

 

 

 

つづく❇

 

 

 

絵のない絵本~幸せフクロウのマーピー第1羽~

ここは幸せ森にある

 

 

 

 

キラキラ保育園

 

 

 

 

今日も元気なフクロウの子どもたちが

 

 

 

 

楽しそうに遊んでいます

 

 

 

 

「園長先生~今日もお話きかせて‼」

 

 

 

 

園長先生をフクロウの子たちが

 

 

 

 

目を輝かせて見上げます

 

 

 

 

 

みんな園長先生のお話がだ~い好き

 

 

 

 

 

 

「そうじゃな~ではむかーし、この保育園にいたマーピーと言う幸せフクロウの男の子の話をしようかな」

 

 

 

 

 

園長先生はゆっくりと懐かしむように

 

 

 

 

 

話し始めました……

 

 

 

 

 

むかし、マーピーと言うとても

 

 

 

 

 

暴れん坊で、聞かん坊で、寂しん坊の

 

 

 

 

 

 

白フクロウの男の子がいました

 

 

 

 

 

マーピーはいつもお友だちに

 

 

 

 

 

いじわるをしたり、からかってばかり……

 

 

 

 

 

だから、いつの間にかマーピーの周りには

 

 

 

 

 

誰も近寄ってこなくなりました

 

 

 

 

 

マーピーが一人寂しくしていると先生が

 

 

 

 

 

「マーピー、お友だちと仲良くしたいなら優しくしてみるのはどぉかな?」と言いました

 

 

 

 

 

マーピーは勇気を出して優しくしようとする

のですが……

 

 

 

 

なぜか、しようとすればするほど上手くいきません……

 

 

 

 

みんなは、ますますマーピーから離れて行ってしまいました……

 

 

 

 

 

 

「園長先生~マーピーは全然幸せフクロウじゃないじゃないか~」

 

 

 

 

と、話を聞いてたフクロウの子が思わず言いました

 

 

 

 

「わっはっはっ‼たしかに‼でも最後まで聞いてくれ、このお話はマーピーが自分で自分を幸せにしていくお話なんだよ……さてと、どこまで話したかな~?」

 

 

 

 

誰もマーピーに近づかない

 

 

 

 

 

 

優しくしようとしても、逃げられてしまう

 

 

 

こんな事が何日も続いて

 

 

 

 

 

マーピーはすっかり元気がなくなってしまいました

 

 

 

 

「どうせボクなんか何をやっても嫌われるんだ‼ボクなんかいない方がいいんだ‼」

 

 

 

 

マーピーが泣きながら家に帰ると

 

 

 

 

どこからか

 

 

 

 

とても可愛い声がします

 

 

 

 

そこには可愛いお花の妖精が顔を出していました

 

 

 

 

「こんにちは‼マーピー‼いつもお水をかけてくれたり世話をしてくれて、ありがとぉ‼マーピー元気をだして‼マーピーはマーピーらしくいたほうが私好きよ‼」

 

 

 

 

それは春にママと一緒に植えたお花でした

 

 

 

 

妖精が出て来てマーピーはビックリ‼

 

 

 

 

ホントはとても嬉しいのに

 

 

 

ついつい

 

 

 

 

「そんな事あるもんか‼みんなボクがキライなんだ‼ボクがいると嫌なんだ‼保育園なんて大キライだ‼保育園なんて無くなってしまえ‼」

 

 

 

 

それを聞いた妖精は悲しそうな顔になって

 

 

 

 

 

 

 

「マーピー……とても悲しかったんだね」

 

 

 

 

「なんだと~‼ボクの事なんにも知らないくせに‼」

 

 

 

 

 

「キャッ‼」

 

 

 

 

 

マーピーはお花を蹴飛ばし

 

 

 

 

家に逃げ込んでしまいました

 

 

 

 

次の日、マーピーが庭に出ると

 

 

 

 

昨日のお花がしおれ

 

 

 

 

妖精も消えかかっていました

 

 

  

つづく❇

 

 

 

 

 

 

絵のない絵本~バードとドリー~第7羽~

日に日にバードの家はキレイに飾られて行き

 

 

 

 

 

やがては、家の外まで拡がり……

 

 

 

 

 

庭中にキラキラとステキな作品でいっぱいに‼

 

 

 

 

 

 

母鳥も、思わず外に出て……ビックリ‼

 

 

 

 

 

 

なんと、家の外には

 

 

 

 

 

バードのキラキラ光るステキな作品を

 

 

 

 

 

 

一目見ようと

 

 

 

 

 

森の仲間たちがいっぱい‼

 

 

 

 

 

 

さぁ‼ママ鳥はエプロンを着て大忙し‼

 

 

 

 

 

 

バードの作品を見にきてくれたお客さんに

 

 

 

 

 

 

自慢のコーヒーやお菓子を振る舞います

 

 

 

 

 

 

「こんなに心がうきうきして楽しいのは何年ぶりかしら‼あー忙しいわ‼」

 

 

 

 

 

 

と言いながら、とても楽しそうにパタパタと

 

 

 

 

 

 

走り回ります

 

 

 

 

 

ドリーは集まったお客さんに

 

 

 

 

 

世界中から集めた材料の説明や旅の話を聞かせます

 

 

 

 

 

 

そして、家には毎日

 

 

 

 

 

 

森の仲間たちで

 

 

 

 

 

 

大にぎわいになりました

 

 

 

 

 

 

バードも、もちろん作品をどんどん作り

 

 

 

 

 

やがて、それは森全体に拡がり

 

 

 

 

 

 

とても、美しい森になり

 

 

 

 

 

うわさを聞き付けた者が

 

 

 

 

 

遠くからも、やって来るようになりました

 

 

 

 

 

 

 

ママ鳥は新しいメニュー作りに毎日ワクワク

 

 

 

 

 

ドリーは世界中を旅しながら

 

 

 

 

 

道中の話をみんなに

 

 

 

 

 

面白おかしく伝えます

 

 

 

 

 

ドリーは思いました

 

 

 

 

 

 

やっぱりバードはスゴい‼天才だよ‼まるで宇宙鳥だ‼

 

 

 

 

 

でも、その魅力に一番に気がついた僕は同じぐらいスゴいけどね‼

 

 

 

 

 

 

おわり❇

 

 

 

 

 

~バードとドリー全7羽~最後まで読んでくれてありがとうございました✨次回もお楽しみに‼