マーピーと森の魔女~第2羽~

魔女はマーピーの顔を見つめ


しゃがれた声で言いました


「ホントは星太郎やりたかったんだろう……」


「な、なんで知ってるの」


マーピーはびっくり‼


「そりゃ、私は魔女だからね。何でも知ってるさ」


マーピーはうつむきながら言いました


「ボクなんかより、モーリンの方が


星太郎にはピッタリなんだ……


誰だって、そう思うさ……」


「へぇ、そうなのかい」


魔女はニヤリと笑い


呪文を唱えました


ヨイシサヤ ア ハタナアー‼


すると‼マーピーの体がバラバラにはじけて



バラバラにくっついたのです‼


頭に背中 、 足にくちばし


お腹に目 、 おしりに足‼


もう、ぐちゃぐちゃのちぐはぐです‼


「えーん‼こんなのやだよぅ~‼動けないよぉ」


魔女が言いました


「これは、おまえの心と体じゃ


おまえの心と体は今ちぐはぐなんじゃ


どうだ、動きにくいだろう


ちぐはぐだとぎこちないだろう……」


「早く戻してよ~‼こんな体いやだよぉ」


「だから、言っただろ。これはお前の


心と体がちぐはぐだから、こうなったんじゃ


お前が心に正直になれば、元にもどるさ」


そう言い残し魔女はまた木の中へ


消えて行ってしまいました……


マーピーはちぐはぐで動きにくい体で何とか


家にかえりました


ちぐはぐの体でご飯をたべ


ちぐはぐの体でテレビをみて


ちぐはぐの体でお風呂にはいり


ちぐはぐの体でベットに入りました


とても、つかれました


自分の体なのに……


自分じゃないみたい……


ぎこちない体


何をしていても


誰としゃべっていても


ちぐはぐで


動きづらくて


苦しい……


マーピーは考えました


あの魔女が言うように


この姿が今のボクの心と体なら


ボクはボクになんて


ひどい事をしているんだろう……


ごめんなさいボク


きっと、いつのまにかボクはボクの気持ちを


聞かないふりをしてたんだ……


マーピーの目から涙がこぼれます


薄墨の明るい夜空


流れ星が


天使の歌声とともに


流れ落ちていきました……


つづく❇