絵のない絵本~幸せフクロウのマーピー第1羽~
ここは幸せ森にある
キラキラ保育園
今日も元気なフクロウの子どもたちが
楽しそうに遊んでいます
「園長先生~今日もお話きかせて‼」
園長先生をフクロウの子たちが
目を輝かせて見上げます
みんな園長先生のお話がだ~い好き
「そうじゃな~ではむかーし、この保育園にいたマーピーと言う幸せフクロウの男の子の話をしようかな」
園長先生はゆっくりと懐かしむように
話し始めました……
むかし、マーピーと言うとても
暴れん坊で、聞かん坊で、寂しん坊の
白フクロウの男の子がいました
マーピーはいつもお友だちに
いじわるをしたり、からかってばかり……
だから、いつの間にかマーピーの周りには
誰も近寄ってこなくなりました
マーピーが一人寂しくしていると先生が
「マーピー、お友だちと仲良くしたいなら優しくしてみるのはどぉかな?」と言いました
マーピーは勇気を出して優しくしようとする
のですが……
なぜか、しようとすればするほど上手くいきません……
みんなは、ますますマーピーから離れて行ってしまいました……
「園長先生~マーピーは全然幸せフクロウじゃないじゃないか~」
と、話を聞いてたフクロウの子が思わず言いました
「わっはっはっ‼たしかに‼でも最後まで聞いてくれ、このお話はマーピーが自分で自分を幸せにしていくお話なんだよ……さてと、どこまで話したかな~?」
誰もマーピーに近づかない
優しくしようとしても、逃げられてしまう
こんな事が何日も続いて
マーピーはすっかり元気がなくなってしまいました
「どうせボクなんか何をやっても嫌われるんだ‼ボクなんかいない方がいいんだ‼」
マーピーが泣きながら家に帰ると
どこからか
とても可愛い声がします
そこには可愛いお花の妖精が顔を出していました
「こんにちは‼マーピー‼いつもお水をかけてくれたり世話をしてくれて、ありがとぉ‼マーピー元気をだして‼マーピーはマーピーらしくいたほうが私好きよ‼」
それは春にママと一緒に植えたお花でした
妖精が出て来てマーピーはビックリ‼
ホントはとても嬉しいのに
ついつい
「そんな事あるもんか‼みんなボクがキライなんだ‼ボクがいると嫌なんだ‼保育園なんて大キライだ‼保育園なんて無くなってしまえ‼」
それを聞いた妖精は悲しそうな顔になって
「マーピー……とても悲しかったんだね」
「なんだと~‼ボクの事なんにも知らないくせに‼」
「キャッ‼」
マーピーはお花を蹴飛ばし
家に逃げ込んでしまいました
次の日、マーピーが庭に出ると
昨日のお花がしおれ
妖精も消えかかっていました
つづく❇